ハウジング・トリビューンVol.684(2024年11号)

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特集:子育て世帯が孤立しない住まい・まちづくり

発売日 : 2024年6月14日

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説明

子育て世帯が孤立しない
住まい・まちづくり

少子高齢化社会で改めて人とのつながりを問う

総務省が発表した2023年10月1日現在の「日本の人口推計」では、我が国の人口は13年連続で減少している。15歳未満が前年から32.9万人の減少と最も減少幅が大きく、75歳以上は2007.8万人で同71.3万人の増加と少子高齢化が止まらない。

こうしたなか、政府は「若年人口の急減が見込まれている2030年代に入るまでが、状況を反転させることができるかどうかの分岐点」として、対策に力を入れている。

なかでも重点を置いている分野の一つが住宅だ。子育てに適した立地や間取りの公的賃貸住宅に子育て世帯が優先的に入居できる仕組みの構築や、【フラット35】に子育て世帯を対象に金利を引き下げる【フラット35】子育てプラスを追加するなど住宅確保、金融面で支援策の充実を図る。

一方、住まいや暮らし方が変化するなかで、懸念されるのがコミュニティの希薄化だ。「育児中は一人になりやすく、人見知りであったりするとイベントなどに参加するのもハードルが高い」(ジェクトワン)、「あわただしい子育ての中で、支援サービスの情報がチェックしきれない」(三井不動産)と、育児に追われる子育て世帯は、社会とのつながりを遮断されやすく孤独になりやすい。

国立社会保障・人口問題研究所が実施した「日本の世帯数の将来設計(全国・2024年6月推計)」によると、20年時点で、家族類型別の世帯割合が最も多いのは「単独」であり、その後「夫婦と子」、「夫婦のみ」、「ひとり親と子」、「その他」と続く。世帯数の減少が進んだことで、気軽に頼れる親族が近くにいないことも多いだろう。「近所の人とかかわりを持てるような住宅が少なく、助け合いの意識が薄れている。子育てを家族だけのものにせず、社会で協力して行えるような空間が必要」(東京大学大学院 大月敏雄教授)となっている。

あらためてコミュニティが重要視される時代を迎えるなか、まちづくり・住まいづくりに子育てのための“人とのつながり”という視点が欠かせなくなっている。